研修参加者レポート:海外日本語教師研修プログラム(冬短期)
信生・イグナシオ・ロペス・佐古
2018年1月10日から3月7日にかけて、国際交流基金の「海外日本語教師短期研修」に参加させていただきました。さいたま市の浦和区で冬と夏、年に二度、行われる研修ですが、私は冬に参加しましたので、「冬短研修参加者」でした。僅か2ヶ月間でしたが、充実した毎日で、一生懸命最新の日本語教授法を学んで実践したり、日本語のすべてのコミュニケーション技能を発揮したり、日本の様々な文化体験をすることができました。こういった研修内容を19か国からいらした33名の研修参加者と楽しむことができ、とてもうれしかったです。
この研修は、すべての面で有意義な体験でした。まず、教師チームですが、皆さんの専門性が高く、研修参加者の気持ちを大切にしながら、しっかりとそして楽しく授業を進めていただきました。コースのプログラムも大変細かく、且つバランスよくデザインされていて、自己学習や共同学習ができるようになっていて、素晴らしかったと思います。教授法コースはただの理論ではなく、具体的な例や実践が組み込まれており、最後には研修参加者が自分の教育現場を考慮し、学んだことをどのようにして生かせるかを発表するという仕組みになっていました。つきまして、自分の大学で使用している教授法を見直し、教え方の改善を検討するようになりました。
また、総合日本語コースは4つのレベルに分かれておりましたが、筆記とやり取りのプレイスメント・テストの結果に応じて自分のグループが決まりました。授業はコミュニケーションベースの課題遂行アプローチで行われ、正に教授法の授業で教わった教え方・学び方を模範的に実施されましたので、全く矛盾を感じませんでした。私のグループでは、トピック・ベース・カリキュラムになっており、科学技術、娯楽、教育、仕事と職業、人間関係と社会、といったバラエティに飛んだテーマについて、読んだり、話したり、書いたりしました。利用した資料は新聞、雑誌、インターネット、テレビ番組などで、媒体やレジスターも様々でした。評価方法は典型的な教師評価ではなく、自己評価やピア評価も多く、その面でも工夫されていました。
社会・文化コースはプログラムの三本目の柱になっており、教授法と総合日本語の補完的な役割を果たしました。和紙工場ではがきを作ってみたり、落語を鑑賞したり、和太鼓の叩き方や風呂敷の使い方を体験したりで、文化体験が盛り沢山!また、社会の面では、さいたま市の市民との交流や、所沢北高校、外国人の子供の受け入れ態勢が模範的である小中学校を訪問したりしました。こういったイベントによって、日本の豊かな文化と現在抱えている社会問題をより身近に感じ、理解を深めることができたと思います。研修の最後に、関西研修旅行にも参加させていただき、関東とは一味違う日本も体験できました。
このように、とても豊富な中身の短期研修に参加させていただき、自分の教え方を改善し、日本語力を向上し、日本社会と文化により深くなじむことができました。国際交流基金に感謝の気持ちでいっぱいです。研修成果を生かして、グラナダ大学の学生のためによりよい日本語教育を目指したいと思います。