2023年10月18日(水)、スペインのカタルーニャ州(州都:スペインの第2位の都市、バルセロナ)で、当センターは中等教育機関で日本語教育の正式導入を祝う特別式典と和太鼓ワークショップを開催しました。これは同国の歴史において記念すべき初めての催しです。

同国では長らく中等教育機関で日本語教育が実施されてこなかった背景を持ちますが、2021年にカタルーニャ州の義務教育課程で日本語(選択科目)が試験的に1校で導入され、継続して同校と同州教育省へのアドバイジングを行った結果、2023年秋学期からは更に4校での日本語コースの新規導入が決定しました。今年の7月には、今秋から日本語の授業を担当する現地の先生方向けの特別研修会をオンラインにて1週間実施しました。

そして、今回正式導入というスペインの日本語教育における歴史的に重要な節目を祝して、新たに日本語を導入する中等教育機関INS Montserrat Roig校にて、在バルセロナ日本国総領事館総領事、地元市長、カタルーニャ州教育庁等の関係者をお招きした特別記念セレモニーを行いました。

<当日の様子>


(記念式典の様子)   

                 
(森藤所長のスピーチ)


 

記念式典の冒頭に当センター所長の森藤より挨拶を行い、続いて同校Yolanda Cardenas校長、カタルーニャ州教育庁デジタル推進・カリキュラム・言語局 Joan Cuevas Expósito総局長、在バルセロナ日本国総領事館佐藤靖総領事、Marc Giribet市長からご挨拶をいただき、それぞれ感謝の意と共に、同州における今後の日本語教育との繋がりと、その重要性について語られました。

当センターからは本記念式典と和太鼓ワークショップに加えて、現地生徒がもっと日本語を身近に感じ、かつ楽しく継続的に学習ができるよう、多読用教材が5セット寄贈されました。




(Barcelona Taikoによるパフォーマンス)


(生徒が和太鼓を体験)


生徒向けの和太鼓ワークショップでは、生まれて初めて和太鼓に触れた生徒17名が熱中して太鼓を力強く叩く姿が印象的で、イベント後に実施したアンケートでは100%が非常に満足・満足と回答、コメントでは「直に日本文化に触れられて最高だった!」、「太鼓の響かせ方がとても美しかった!」という声が挙がり、生徒にとって充実した時間となりました。
 
今回は、在バルセロナ日本国総領事館だけでなく、同州で日本語教育に関心の高い教育庁、文化庁、カサ・アシア、プラン・ハポンの関係者にもお越しいただき、同地域で日本語教育に関心を持つ者が一同に集って日本語と日本文化に触れつつ、日本語正式導入の意義深さを共有する大変貴重な機会となりました。本記念式典と迫力ある和太鼓ワークショップを契機として、今後、中等教育における日本語教育が、同州内で更に広がりをみせることが期待されています。