
国際交流基金マドリード日本文化センターでは、昨年度より「日本語教育オンライン講演会」と題して、日本や第三国でご活躍されている日本語教育の有識者をお呼びして講演会形式の教師研修やワークショップを実施しております。今年度学期(2021年9月~2022年8月)に関しましては、「第二言語習得研究(SLA)」をメインテーマとし、SLAに関する研究者および講師陣による様々なアプローチから、当地日本語教師のニーズに合った理論や日本語教育現場への活用方法などを取り扱っていく予定です。
第6回講演会を下記の通り開催いたしますので、奮ってご参加ください。
講師:小柳かおる 教授(上智大学言語教育研究センター)
テーマ:第二言語習得研究の知見を読み解く-学習者の認知的プロセスを活性化する日本語指導-
【講師のメッセージ】
応用言語学には、Instructed Second Language Acquisition(ISLA)という教室学習者を念頭においた習得研究の分野があり、学習者の頭の中で起きている認知的なプロセスにどのように介入すれば、第二言語習得が促進されるかが研究されています。認知的なプロセスには学習者の注意や記憶などの心理的特性が関わり、それらを阻害しない、むしろ、そのメカニズムを最大限に活かしてプロセスの活性化を促すような教室指導が求められます。
一方、実際の教室では、教師は日々、学習者と向き合い、様々な工夫を重ねている。わかりやすい文法説明をする、口をついて日本語が出るまで文型練習を行う、文法の理解を促進する文法の練習問題を作る、学習者が話せるようフリーカンバセーションの時間を作る、などなど。このような一つ一つの活動が、第二言語習得の観点から本当に学習者のためになっているかは一度立ち止まって考えてみる必要があると思います。
言語を教えるために経験もある程度必要ですが、経験のみに頼るのではなく、教師の行動や教室活動の一つ一つに科学的根拠を与えるのがISLA研究の役割です。本講演では、第二言語習得の認知的プロセスを理解した上で、日本語の授業をどのように行っていくべきかを考えます。
日時:2022年2月27日(日)11:00~13:00(スペイン時間、UTC+1)
会場:Zoom上の会議室
参加費:無料
申込み方法:以下の申込みフォームにてご登録下さい。
申込み締め切り:2022年2月20日(日)まで