Asako I & II /「寝ても覚めても」 (Ryusuke Hamaguchi, 2018)

2020年、新たな年の幕開けと共に新たな映画シリーズ「現代日本映画の新たな才能たち」の上映がスタートする。本シリーズでは、日本国内外の観客や評論家を魅了した新世代の日本人監督の作品の数々を上映する。「新たな才能たち」の中には濱口竜介、山戸結希、石井裕也など、80年代及びその前後に生まれたのその名の通り若き監督たちの他、近年の作品が高い評価を受けた監督たちも名を連ねている。彼等は今、日本の映画界に新しい風を吹き込む存在である。
 
ここ5年間に製作された8作品からなる映画シリーズに登場するこの新しい〝日本映画の名監督たち″は、変哲のない日常のストーリーの、登場人物とその周辺の関係にスポットを当てたり、まだ知名度の低い若い役者を起用したりするなどの、共通点が見られる。それと同様に、これらの映画はロマンスから親子愛まで、様々な形の愛に向き合う主人公たちを主なテーマとしている。
 
本映画シリーズは今後、サラゴサ、マドリード、バルセロナ及びバレンシアで、各都市のフィルモテカ(マドリードではCineteca Madrid)の協力の下、今後語り継がれることとなる日本の若手才能による作品を鑑賞することができる。
 
上映会場及び日程

サラゴサ上映
日程:2020年1月15日から16日まで「寝ても覚めても」、「溺れるナイフ」、「泳ぎすぎた夜」、「アズミ・ハルコは行方不明」が上映されます。日程詳細はこちらをご確認ください。
会場:Filmoteca de Zaragoza (Pza. San Carlos, 4. 50001 Zaragoza)
入場無料。定員になり次第、入場を締め切らせていただきます。
 
マドリード上映
日程:2020年2月4日から26日まで
会場:Cineteca Madrid (Plaza de Legazpi, 8, 28045 Madrid)
入場料:3.50€ 上映日程及びチケットに関する詳細はこちらをご確認ください。
 
バルセロナ上映
日程:2020年3月3日から14日まで
会場:Filmoteca de Catalunya (Plaça de Salvador Seguí, 1, 08001 Barcelona).
入場料:4€ (割引料金:3€) 上映日程及びチケットに関する詳細はこちらをご確認ください。
 
バレンシア上映
日程:2020年3月4日から31日まで
会場:La Filmoteca de Valencia (Plaza del Ayuntamiento, 17. 46002 Valencia)
入場料:2.50€(割引料金:2€) 上映日程及びチケットに関する詳細はこちらをご確認ください。
 
作品紹介:

Asako I & II /「寝ても覚めても」 (濱口竜介、2018年) 199分
マドリード: 2月7日(金)20:30-(Sala Plató)
バルセロナ: 3月3日(火)21:30- / 3月7日(土)21:30-(Sala Laya) ※3月3日(火)のセッションでは、上映前にグロリア・フェルナンデス(CineAsia)による本映画シリーズ紹介トークが予定されています。
バレンシア: 3月21日(土)20:00- / 3月24日(火)18:00-

前作『ハッピーアワー』が第68回ロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞等を受賞した濱口竜介の商業映画デビュー作。同じ顔をした二人の男の間で揺れ動く女の心情を繊細なタッチで紡ぐ。 サラリーマンの亮平(東出昌大)はカフェで働く朝子(唐田えりか)と出会い恋に落ちる。真っ直ぐな亮平に戸惑いながらも惹かれていく朝子。2人は仲を深めていくが朝子には亮平に言えない秘密があった。亮平はかつて運命的な恋に落ちた恋人・麦(東出)に顔がそっくりだったのだ。
https://filmarks.com/movies/75124
Drowning Love /「溺れるナイフ」 (山戸結希、2016年) 111分 
バレンシア: 3月4日(水)20:15- / 3月10日(火)18:00-
 
ジョージ朝倉の同名少女コミックを原作に、山戸結希監督が10代の男女の危うい青春模様を描く。出演は、マーティン・スコセッシが手がけた『沈黙ーサイレンスー』の小松菜奈と、『そこのみにて光輝く』の菅田将暉。 東京で雑誌モデルをしていた夏芽(小松)は、引っ越し先の父の故郷で、刺激のない生活に落胆していた。そんななか、神主一族の跡取りである航一朗(菅田)に出会い、強烈に惹かれる。夏芽は航一朗と過ごすうちに、自分の居場所を見つけていく。
http://gaga.ne.jp/oboreruknife  
 

Takara, la noche que nadé /「泳ぎすぎた夜」 (五十嵐耕平&ダミアン・マニヴェル、2018年) 79分
マドリード: 2月4日(火)18:00-(Sala Azcona)
バレンシア: 3月12日(木)20:15- / 3月13日(金)22:30- ※3月12日(木)のセッションでは、上映前にラウル・フォルテス(バレンシア大学)による本映画シリーズ紹介トークが予定されています。

『息を殺して』の五十嵐耕平と『若き詩人』のダミアン・マニヴェルが共同監督を務めた日仏合作。第74回ベネチア国際映画祭などで上映された。 青森の山あいの小さな町。夜漁業市場で働く父親(古川孝)は、家族を起こさないように静かに仕事の準備を始めるが、その物音で6歳の息子(古川鳳羅)が目を覚ます。父親が出て行ったあと、息子はクレヨンで魚
の絵を描いていた。その翌日、少年は登校途中に魚の絵を父親に届けに行こうと思い、市場を目指すことに…。


Japanese Girls Never Die /「アズミ・ハルコは行方不明」 (松居大悟、2016年)100分
マドリード: 2月9日(日)20:00-(Sala Plató)
バレンシア: 3月14日(土)20:15- / 3月20日(金)22:30-

現代女性の生き様を浮き彫りにした山内マリコの小説を映画化。郊外に住むOLの失踪を発端に起こる複数の事件を描く。監督は、『私たちのハァハァ』の松居大悟が務める。 寂れた地方都市に住む独身OLの安曇春子(蒼井優)が、ある日突然姿を消してしまう。街中には、行方不明の春子のポスターが貼られ、春子を描いたグラフィティーアートまで広まってゆく。一方、ネットでは無差別に男を襲う女子高生集団と春子の関係性が噂され…。


The Tokyo Night Sky Is Always the Densest Shade of Blue /「夜空はいつでも最高密度の青色だ」 (石井裕也、2017年) 108分
バレンシア: 3月25日(水)18:00- / 3月31日(火)20:30-

詩人・最果タヒの詩集「夜空はいつでも最高密度の青色だ」を映画化。監督・脚本は、『舟を編む』の石井裕也。
看護師の美香(石橋静河)は、日々患者の死に囲まれる仕事と折り合いをつけながら、夜はガールズバーのアルバイトをしていた。建設現場で日雇いとして働く慎二(池松壮亮)は、同僚・智之(松田龍平)たちと何となくいつも一緒にいるが、漠然とした不安が消えない。ある日、慎二は智之たちと入ったガールズバーで、美香と出会い…。


Dear Etranger /「幼な子われらに生まれ」 (三島有紀子、2017年) 127分
バレンシア: 3月21日(土)20:00- / 3月24日(火)18:00-
 
作家・重松清の同名小説を映画化。監督は、『繕い裁つ人』の三島有紀子。『ヴァイブレータ』の荒井晴彦が脚本を手がけた。
妻・奈苗(田中麗奈)の連れ子とうまくいかない信(浅野忠信)。奈苗との間に新しい生命が生まれようとしていたため、信は元妻・友佳(寺島しのぶ)との間にもうけた実娘と会うことを楽しみにしているとは言えない。いまの家族に息苦しさを覚え始める信は、半ば自暴自棄で長女を奈苗の元夫・沢田(宮藤官九郎)と会わせる決心をするが…。


Three Stories of Love /「恋人たち」 (橋口亮輔、2015年) 140分
バレンシア: 3月24日(火)20:15- / 3月31日(火)18:00-

橋口亮輔監督が、『ぐるりのこと。』以来7年ぶりに手がけた長編ドラマ。監督自らオーディションで選んだ無名の新人俳優3人に役柄を当て書きし、苦悩を抱えて生きる人々の感情を丁寧に描き出す。
通り魔殺人事件によって妻を失ったアツシ(篠原篤)。自分に無関心の夫とそりの合わない姑と暮らす瞳子(成嶋瞳子)。同性愛者のエリート弁護士・四ノ宮(池田良)。ひょんなことから日常に変化が訪れた3人は、失って初めて日々のかけがえのなさに気づき始める。

Her Love Boils Bathwater / 「湯を沸かすほどの熱い愛」 (中野量太、2016年) 125分
バレンシア: 3月13日(金)20:15- / 3月14日(土)18:00-
 
死にゆく母の熱い想いと想像もつかない驚きのラストが胸 を打つ、家族をテーマにした人間ドラマ。『チチを撮りに』 で注目を集めた新鋭・中野量太が、監督・脚本を務める。
1年前、突如夫に失踪された双葉(宮沢りえ)は、内気な娘・ 安澄(杉咲花)と二人暮らし。そんな矢先、双葉は突然 の余命宣告を受ける。残されたわずかな時間で、双葉は 夫を連れ戻し、休業中の家業である銭湯を再開させて安 澄を独り立ちさせようとするが…。


※全作品、日本語音声&スペイン語字幕での上映となります。


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